●ジョイフルトレインブームの到来
客車の室内の座席をすべて取り払い、畳敷としたお座敷客車は1980年代から種類も増え稼働率が上がっていきました。
列車で移動しながらくつろぐことができるというのは、今までにない魅力があったのでしょう。
当初は外見はそのままでしたが、サロンエクスプレス東京とサロンカーなにわの登場をきっけに大掛かりな改造が目立つようになってきます。これら2編成は欧風客車と呼ばれるもので、それまでの畳敷から座席やコンパートメントを中心に、展望室等を設けたのが特徴でした。塗装も今までにない色が採用されるなど、国鉄、それも各工場の本気度が見られます。
以降、ジョイフルトレインと呼ばれるようになり、団体輸送を中心に客車の利点を活かし全国津々浦々走るようになっていきます。
畳敷きの客車は和式客車と呼ばれるわけですが、改造が盛んになると展望室(洋風)を設けた和洋折衷型のものが主流になっていきます。
今回製作するのは、そんな展望室を設けたお座敷客車になります。
●高崎2本目のお座敷はとっても明るいゾ!
国鉄高崎局には12系を改造した「くつろぎ」が居ました。展望室は無いおとなしいスタイルのものでしたが、稼働率がとても高いものでした。そこでさらなる需要拡大を目指しデビューしたのが「やすらぎ」でした。
欧風スタイルの展望室を設け、サロン室としています。中間車についても洋間を設けています。また、畳部分についても掘りごたつにできるようにしたのが、この列車の特徴でした。
外見はホワイトをベースに青と赤の帯を配色し、とにかく明るい新鮮な色となりました。
●斬り継ぎ位置の検討
それにしても今は良い時代です。マイクロエースがこんな特殊な列車を製品化しております。付属品無しのジャンク扱いだったので、かなりお得に入手致しました。今回はこれを斬ってBトレにしていきます。

中間車です。マイクロ製品のを眺めていて、やけに側面が間延びする印象があると思っていたら、Bトレは窓の幅を狭め、支柱も細くしていたんですね。目がすっかりBトレのもに慣らされていました笑
ただこれは非常に厄介です。窓割が比較的そのままで完成品が出ていない「ふれあいみちのく」「オリエントサルーン」は嫌でもBトレベースでなければいけないでしょう。「江戸」に至ってはマイクロを斬るわけにはいかないですね…普通に斬ると6センチを超えてしまいます。
14系ベースのサロンエクスプレス東京を製作したときも、6センチに拘ったために苦労しましたからね…。やる人は頑張ってほしいです笑

話を戻しまして…
客窓は片側が2個、片側は1個とし、残りの部分には洋間の大きい窓を配置することします。
先ほど述べた理由で、本来ですとNベースで斬ると6センチに収まらないのですが、大きな窓がそれをうまく誤魔化してくれて結果的に収まっています。斬り継ぎは1か所です。

代償が1つだけあります。本来はこのように窓が埋められた関係で広い部分があるのですが再現できませんでした。
こればかりは仕方がないです。
ちなみにBトレベースで加工しなかったのは業務用の扉を設置する加工や、一体成型のボディを上手く切り出してBトレのボディと接合することが面倒だったからです。マイクロもおかしなところがいくつかあるのですが…完成品で出てることに意味があるので今回は言及しません笑

続いて展望車は御覧の位置で切断いたします。分かり辛くて申し訳ないのですが、都合3ピースです。
斬り継ぎか所を増やしたくなかったので、展望室部分の窓を1枚埋める手間が発生しています。
また、方向幕は移設することで綺麗に6センチに収まるようにしています。
●ディティールアップ改造
今回も妻板をメインに弄ります。
施工内容(妻板編)
①貫通扉の交換と設置
②手すり・標識灯掛け・幌吊り・渡り板の別体化
③配電盤の設置
④プラ製幌取り付け穴埋め

マイクロの妻板は貫通扉に色が入っていて完成品としては良いのですが、この扉がいただけない…。 そもそも幅が狭すぎるのです。(早速文句が出てしまった
また、やすらぎは種車の関係で両エンドに扉が設置されていましたがそれも再現されていません。
これをトレジャータウンの国電用貫通扉で再現します。
③についてですが、これはやすらぎの
写真を見ると分かるのですが、箱のようなものが設置されています。
北関東に保存車があるので見に行きたいのですが、世が世なので難しいところ…。
ネットの画像を比較したところスロフ12 828は未設置のようです。オロ12 854は障害物に隠れて良くわからないのですが、部品の雰囲気から「設置されていたものの、保存する際に外した」という説を個人的に立てています。
1両だけ設置されていないというのも不思議な話ですが一体何だったんでしょうね。余談ですが、Twitterで出回った画像の中で似たようなものが「スーパーエクスプレスレインボー」にも設置されているのを確認しています。

製作にあたっては0.8ミリ厚のプラ板を現物合わせで切り出しています。
ケーブルを塗装後に取り付けるため、最初に穴を開けておきます。
最後にバンドのようなものが巻かれていたので、これをレボリューションファクトリーの帯材で再現して完成です。
施工内容(屋根編)
①クーラー台座の設置
②手すりの設置
屋根は元の取り付け穴を活かすことができないので、全て埋めてしまいます。
今回はトミックスの12系の屋根から台座を切り出して取り付けました。
ベンチレーターも位置が違うのと、製品のは形状が甘いのでKATOのマニ44のものに交換します。いつもはトミックスを使うのですが、たまたま在庫切れでした。

駆け足でしたが、ボディの加工はこれにて終了です。
次は塗装です。日曜日にやろうと思っていますが、マスキングが上手くいくか既にドキドキです。
☆☆☆☆
製作にあたり参考にした文献
鉄道ピクトリアル1990年7月号
鉄道ファン1986年7月号
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- 2020/06/19(金) 18:40:49|
- Bトレ・国鉄/JR
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