●実車について
この車両はA寝台二人用個室ツインDXの改良版として、1989年に増備された通称ニューツインDXです。
北海道の苗穂で改造され、その後の増備が無かったことから1両のみの存在となっています。
種車は14系で、クーラーはAU76を積んでいます。
特徴として、それまで平屋構造だったツインDXを二階建て構造にしました。
洗面所を室内に設けた他、ベッドを並べて配置することにより、梯子で上り下りする手間や危険を無くすことに成功しています。
これだけ聞けば、ただの改造車にも聞こえますが…。
問題なのは中身ではなく、外見なんですよね笑
というのも、他の車両と比べて明らかに窓配置がおかしいんですよ。
残念ながら私は実車を自分の目で見ることができず、生憎写真を持ち合わせておりません。
ですから、この後の本題に入る前に、まずは皆さんの目でその
怖さを味わってください。
※オロネ25-551でグーグル先生に検索かけてみてください。サイドビュー写真が出てきますので。丸投げ ●ショーティーの検討
皆様、実車の写真はご覧になったでしょうか。
どんなに客車に鈍い方でも、さすがに目を疑いたくなるような車両だと思います。
実際、それほど詳しくない友人に写真を見せたところ、「何かがおかしい」と突っ込んでくれたほどですからね笑
それでは本題へ入りましょう。

これはチームメンバーである客車男氏が去年製作したオロネ25-551です。
実車の雰囲気を醸し出した、素晴らしい作品だと思います。
ですが、この車両には1箇所だけオミットせざる終えなかった部分があります。
それがクーラーです。
冒頭でも述べましたが、この車両はAU76と呼ばれる少し大型のクーラーを積んでいます。
このショーティーの仕方では、そのクーラーを積むことができず、AU77という小型のクーラーを積まざる終えません。
但し、クーラー自体をショーティー化してしまった。という解釈の仕方ができるため、ショーティーの概念には反しているとは考えにくいです。

クーラーを同じようにショーティーしたもう一つの例がオロハネ25-555~です。
この車両もAU76を搭載していますが、ソロの部屋数を6室にすることで、実車の雰囲気・特徴を出しています(デザイン考案:客車男氏。車両製作:たくっち)
BトレはNゲージではないので、いかに実車の雰囲気を出すかがポイントになると思います。
今回のオロネに関しても、それは例外なく当てはまるかと…。
しかし、どうしてもクーラーのショーティーが許されない場合があります。
それが登場時の仕様です。

ご存知の方もいると思いますが、北斗星の客車のクーラーはキセが交換されて新しいものになっているのが殆どです。
交換時期は車両によってバラつきがありますが、デュエットとソロを除いて、登場時はすべて旧型のクーラーで出場しています。
新型タイプはAU76とAU77では見た目にそれほど差がないので、先ほど例に挙げたような解釈も可能です。しかし、旧型だと明らかに形が違います。
ですから、今回のように登場時のオロネを作るとなると、実車通りにAU76を積めるような窓配置にする必要があるのです。
さて、肝心の窓配置になりますが…。
頑張れば3室配置できることが分かりました(室内が狭いのは知らん)
こうなると、どの部分を切り取るかで印象が変わってきますね。
パターンとしては上段2室下段1室か上段1室下段2室のどちらかになります。
どちらにするか非常に悩みましたが、

後者のパターンでやらせていただきます。
ということで、次回から工作に入ります。
スポンサーサイト
- 2015/04/26(日) 21:00:04|
- Bトレ・北斗星
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
~黄金の北海道編成よ。蘇れ~

ついに定期運行を終えた北斗星。気づけば登場から20年以上が経過していたわけですね…。
さて、旧ブログ時代にも北海道編成は取り上げておりましたが、今回新たにもう1本製作しましたので、紹介していきたいと思います。
モデルは1998年頃。いよいよ最後の個室改造車であるデュエットが出場し、オール個室化を達成した華の北海道編成です。
外見上の特徴としては洗面所窓の多くが残っていたり、点検蓋の形が現在(末期)と違うということ。
微妙に違う北海道編成をお楽しみください。
●1号車 オハネフ25-2 Bコンパートメント
●11号車 オハネフ25-8 Bコンパートメント

この頃はまだ雨樋が取り付けられていませんでした。東との区別は少しつき辛かったかもしれません。
とは言え、帯の切れる位置が両車でマチマチなのは、さすが苗穂といったところですかね。
車両の加工は例によってオハネフをニコイチにして製作。ステップ周りを実車に合わせています。

非常口には水切りを追加。北海道車のオハネフはすべてこの形態だったと思われます。
また、何故か存在する洗面所窓を埋めています。
●2号車 オハネ25-561 デュエット
●3号車 オハネ25-565 デュエット
●4号車 オハネ25-564 デュエット

デュエットを語る上で最低限入れておいて欲しい知識があり、それはデュエットにも2種類あるということ。
~562が前期、~566が後期になります。
前期は14系が種車で後期は25型が種車です。改造時期が少しずれていることもあり、内装や外見に差異が見られます。

まずは寝台側ですが、前期には点検蓋が見られます。後期からは無くなっており、この蓋の奥には何が隠されているのか気になりますね。製品は点検蓋がないので、561ではこの部分の斬り継ぎをしています。
角手摺も長いのが特徴です。
後期からは客扉がHゴムなしになり、サボの大きさも通常サイズに戻っています。
製品はドアがHゴム有りの前期仕様、その他は後期仕様という実際には存在しない仕様になっています笑

但し、妻板に回り込む雨樋がソロと同一の変形タイプになっているため、前期のデュエットを作る場合でもドアの切り継ぎはしなければいけません。加工前の場合、上の写真のようになっています。このパーツはスハネ25-503(Aセット)か、オロネ25-500(Bセット)から調達すると良いでしょう。

一番違いが目立つのは通路側ですね。
窓配置・大きさが違います。また、方向幕・エンブレム・手摺の位置にも違いが見られます。
製品の窓配置は後期に合わせてきている為、前期を作る場合は切り継ぎが必須となります。
●5号車 オハネ25-551 ソロ

製品のソロは何故か点検蓋が原型でした。その割には洗面所の窓はご丁寧に埋まっているため、新たに開けています。製品のような時期はあったのですかね…。
その他、ルーバーの取り付けとサボの交換をしています。

問題なのは通路側。デュエットと金型が共通であったため、乗務員窓のある特徴的な側面を再現しなければいけません。
雰囲気だけを楽しむなら、細窓を埋めて乗務員窓を開けるだけです。
しかし、厄介なことに、実車は前期デュエットと方向幕や窓が同じ位置にあります(但し窓同士の支柱の間隔はソロのほうが広い)
製品は後期タイプに合わせているため、これを前期デュエットと同じように斬り継いで位置を変えてやる必要があります。
ソロが登場したのは前期と同時期ですから、この辺りは同じような設計になったのでしょうね。
●6号車 スハネ25-501 ソロ・ロビー

3両改造されたスハネのうち、登場時から組み込まれている車両です。
初めは502と同じようにシンプルな3本帯で登場しましたが、途中からアルコン帯に変更されています。
製作記を当ブログで書いていますので、詳細はコチラから→
①②③ ●7号車 スシ24-502 GRAND CHARIOT

東日本車と違い、エンブレムがあるのが特徴です。
調理室の窓が固定化される前の姿を再現しています。
車体側は不要なモールドを撤去、サボの位置を修正しました。

屋根はクーラーを耐雪型タイプに交換し、ベンチレーターを正しい位置に修正しております。
●8号車 オロネ25-502 ツインDX

ツインDXは国鉄時代に先行して改造された車両です。ゆうづるに組み込まれて活躍していました。
室内は元の開放1区画のうち、片側の上下ベッドを撤去。残ったベッドに関しても幅を広くし、ソファにもすることができるように改良。荷物置き場も充実しており、ロイヤルに乗ることが出来なくても十分優雅な旅を満喫することができる部屋だと思います。デュエットなどのB個室は、天地方向に余裕がないため多少の圧迫感を感じますが、このツインDXはそれが無いのがメリットだと思いますね。
実車についてですが、北海道に所属していたのは501~503と551になります。~506とオロネ24-501は現在も東日本に所属しており、今年の臨時では編成中に2両連結されていますね。
尚、北海道所属の4両は全車に違いが見られる素晴らしい仕様でした。
さて、この車両は地味ながらも製品化されていません。ですから、オロネ24-501をベースに窓開けをし、再塗装しています。
末期は洗面所の窓埋めが行われたため、雰囲気が変わりました。
●9号車 オロハネ25-555 ロイヤル・ソロ
北斗星3/4号定期化に伴い増備された車両で、いわゆるニュー北斗星の一員になります。
後に製造される556番以降より先に登場したこともあり、外見や車内設備に若干の違いがあります。
特に、ニュー北斗星の代名詞とも言えるロイヤルにステラリウム機能を備えていないのがこの車両の特徴です。
苦労して切符を取ってもこの車両が来たら残念な気分になったのではないでしょうか笑
改造のベースですが、寝台側はオハネ25-560になります。元の窓を全て埋めた上で窓開けをしました。
点検蓋の設置や、先のデュエットの時も申し上げましたが、雨樋が違うため2箇所で切り継ぎをしています。

通路側も今回より斬り継いで実車の雰囲気に近づけております。
●10号車 オロハネ25-551 ロイヤル・デュエット

北斗星運行開始当初から連結されている車両になります。
北海道のロイヤル・デュエットは全部で4両の陣容でしたが、この551と552は最後までシンプルな3本帯を貫きました。
改造のベースはオロハネ24-550。実車は後の登場ですが、この車両と窓配置などほぼ同じデザインです。
実車に則すために、二階部分を一部削りこんでいます。
●電源車 カニ24-503

北海道の電源車は最後まで機関更新されることがなかったため、カニ独特の側面にあるルーバーは残存していました。
この車両は特に弄る必要がない(はず)なので、再塗装のみ行っています。
長くなりましたが、北海道編成第二弾はいかがだったでしょうか。
今回の編成はアルコン帯の車両も少なめで、ある意味面白みのない編成かもしれませんね。
ですが、こうして北斗星の一つの時代を模型化できたことに、私は喜びを感じています。
資料も少なく、中々形にすることが難しい北斗星。
最近は時計の針を大分戻していますが、次回の北海道編成ではもう少し現代に戻そうかと思っています。
とはいえ、北海道編成が無くなってもうすぐ10年。混成になった北斗星もすでに消えてしまいました。
私は実車と向き合うようになってまだ日が浅く、北斗星ファンを名乗るにはまだまだだと思います。
しかし、より良い車両を作っていけるよう努力していくつもりです。
最後になりましたが、客車のデザインに関して意見を下さった客車男氏、ありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。
奥の深い北斗星の世界は、私をどこまでも魅了し続けます…。
次回からは再び製作記になります。
札サウ所属。おそらく北斗星客車の中で一番怖いと思われるアイツに挑みます。
- 2015/04/12(日) 21:00:55|
- Bトレ・北斗星
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0