●今も生きるロクサン
5年ほど前、横川の碓氷峠文化村に行った時のことです。
運転体験線のところにいつも通りロクサンがいるのですが、ちょっといつもと違うのです。いや、違うというのはおかしいですね。
むしろ当たり前の姿を私の前に見せてくれたのです。
それはロクサンが重連でいたということです。

運転体験ができるロクサンはその機関士の習熟度によって単機での運転から連結作業、そして現役さながらの重連運転までできるのです。
ただ、重連まで到達した人の数は多くなく、年に数回しか横川に足を運ぶことのない私にとってその姿を見ることができるのはかなり確率の低いことなのです。
「生きた」重連を見るのは初めてでした。
実際にパンタグラフを上げ、ノッチの試験をし、起動をするのです。
ブロワ音は電圧の関係で現役の時よりは低めの音ではありますが、そこにロクサンが確かにいます。
これには思わず感動してしまいました。映像や写真でしか見たことがなかった光景をようやく目に焼き付けることができました。
それっきり、何度か足を運んだものの重連の姿は見ることができてません。
それでも、生きたロクサンを今でも見ることができるのは幸せなことです。
いつかは自分でそのハンドルを握ることを夢見て、現役に思いを馳せます…。
さて、前回の続きです。少し間が空いてしまいました。
屋根周りの立体化が終わったところから今回はお話していきます。
③水切りの作り分け
ロクサンは製造時期が長期に渡ったこと、複数の会社で製造されたことから細かな違いがたくさん見受けられます。
その中でも水切りの違いというのは特徴の一つでしょう。

前面から続いてきた窓上にある水切りは、乗務員室扉の後ろ、最後の処理に個性が出ます。
ネコパブリッシング社が出しているEF63の本によると、全部で5種類に分けるれるそうです。
直線的に途切れるもの、少し上に上がって終わる等…今回製作している2両についても違いが見られます。
水切り問題、これは僕がロクサンを作る上での課題の一つでした。
Nスケールとなると非常に線が細く、特徴的な曲げも必要になるため、素材選びには難航してきたのです。
そして今回、その問題を無事に解決することができました。

水切りを「形作る」必要があることから、前回製作時と同様に真鍮帯材を使うことにしました。違うのはここからです。
過去の作品では水切りを一つの素材に置き換えようとしたことで、前面と側面の部分を直角に曲げることが難しく、接着しても剥がれ落ちるデメリットがありました。それを解決すべく、あくまでも前面は素材(トミックスのモールド)を生かし、途中から真鍮帯材を繋ぎ合わせる手法にしました。
こうすることで、接着面積の狭い真鍮帯材でも、平らな側面の部分のみの貼り付けとなり、余計な力が加わらず剥がれ落ちる心配も大分減ります。
繋ぎ合わせた部分には黒い瞬間接着剤を盛り、あとは丁寧に削って整えるだけで大丈夫です。
先にも述べましたが、真鍮であることから水切りを「形作る」ことができます。
前面は素材のモールドを生かすことで後付け感も当然なくなり、自然な水切りを完成させることができました。
これは他の機関車でも応用が効きそうです。

こちらが貼り付けた状態になります。
2両で水切りの処理の仕方が違うのが分かるでしょうか?
●細かい所をリアルに

ここからは細かい部分のパーツ取り付けになります。
テールライトは、一次型は銀河モデルを、二次型はトレジャータウンのものを使用しています。
製造時期による違いはこういった部分でも出てくるんですね。

側面にある白い四角いものは協調無線機器の箱です。ロクサン登場時には無かったもので、1970年代に入ってから後付けされたものになります。
この装置を取り付けた関係で、それまでそこにあった区名札の位置がさがったのも特徴ですね。
ちなみにこの装置は2エンド側の写真の位置にしか取り付けられてません。間違ってもたくさん取り付けないように笑

屋上のパイピングした様子はこれで分かるでしょうか。
下の車両が一次型で、避雷器からパンタグラフに向かって伸びる配管は、作業の都合上、塗装終了後に取り付けます。

最後は仮組した写真です。大分ロクサンらしい、凛々しい顔つきになってくれて満足です。
次回はカプラーの加工をメインに、完成画像の記事まで書けたらと思います。
- 2019/06/13(木) 22:58:23|
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みなさまこんにちは。本当なら完成しているはずのロクサンでしたが、最後の調整に手間取っていて未だに完成できず。。
今月中に記事がきちんと完結するか心配です(汗)
①前面の改修
前回の続きからスタートです。お話した通り、トミックスの顔を移植します。
ロクサンは2両1組で運用されていましたので、今回は2両まとめて製作します。そのために、トミックスの中古品をその数だけ用意しておきます。状態はそれほど気にしませんが、パンタグラフやステップ等のパーツの欠品が無ければ大丈夫です。

合計4個の顔を切り出しました。Bトレの前面を参考に斬って調整します。
Bトレを普通に組み立てる要領で用意したボディにこの前面を取り付けます。とは言っても、そのままでは取り付けられませんのでABS接着剤で固定します。1日置いて乾燥させた後、隙間を埋めるように黒い瞬間接着剤を盛ります。やすりがけをし、平滑になればOKです。
続いて手すりを取り付ける箇所に穴を開けます。元のモールドを彫刻刃で薄く削り取った後、それを参考に開けていきます。
開け終わると、今度はそのモールドが完全に消えるように、やすりがけを再び行います。
テールライトは金属に交換するためモールドごと削除してしまいます。また、金型の都合でC'アンテナ用の取り付け穴が空いてますので、これを埋めてしまいます。
このように、トミックスのロクサンのロッドが違っても、同じような出来になるよう調整しますので問題ありません。
ちなみにボディの組み立てには、製品の通りブロックを使っています。こうすることで、側面同士の平行がだせますし、何より頑丈にできます。ブロックはそのままだと動力を組み込む際に干渉してしまいますので、予め削っておきましょう。
また、この時に動力をはめ込むためのツメを取り付けておくと、後々楽になります(この時取り付けたツメは外れてしまい、今になってヒィヒィ言ってますので、面倒なことはさっさと終わらせましょう)
②屋根周りの立体化

まずは前頭部と屋根の境目にある雨どいを取り付けます。前回の時に「各パーツをシャープにする」話をしたと思いますが、唯一それが叶わなかったのがこの部分になります。
雨どいに見立てたプラ棒を取り付けるのですが、そんな細いプラ棒が存在しません。なので太くなってしまいました。
これでも細くなるよう切り出してはいるのですが、オーバー表現なのは否めないですね(汗)
ロクニも同じ工法で製作していますが、そろそろ変えたいですね。

次にパンタ台座を取り付けます。製品の台座はお貧弱なモールドで、とてもパンタを支えられそうにありませんでしたので(汗)
形状は近いものがよく分からなかったので、手持ちの国電用(ボナ)を使用しています。
そういえば書き忘れていましたが、Bトレ用のパンタ取り付け穴は塞ぎました。
最後にパイピングをすれば屋根の大方の作業は終了となります。今回はロクサンの1次型と2次型を製作しますので、配管の回しが異なっています。製作時に注意しなければいけないポイントですね。
本日はこの辺で失礼いたします。次回は水切り等のお話です。
- 2019/05/13(月) 20:57:48|
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●あいさつ
皆さまお久しぶりです。最後の更新から大分経ってしまいました。元号も令和となり、新しい時代の幕開けです。
更新していない期間は肝心の模型はあまり進まず…一方で旅行で美味しいものを食べたり温泉に浸かったり、貴重な車両を観察したり(笑)
多忙な日々ではありながらも充実した日々をおくっています。
また、3月末にはGRAND CHARIOT新年会を開催し、ゲストを招いての非公開運転会を行いました。
参加してくださった皆さま、ありがとうございます。私も模型製作に再びを火を付ける、有意義な時間を過ごすことができました。
個人的に色々反省点がありますので、次回がある際には改善します。今後ともよろしくお願いいたします。
さて、本題ですが、表題の通りです。私自身、EF63は過去に二回製作しましたが、共に納得いかず…。
どうにか自分の中で納得できるものを作るということをテーマに、半年以上前から製作をしてきました。
ようやく完成が見えてきたことと、記事にするネタも溜まってまいりましたので、複数回に分けて更新していきます。
●ロクサンが持つ、不思議な魅力
記事のタイトルである「いまだロクサン、そしてロクサン」は、Rail Magazine(2007年12月号)の特集記事の中でのフォトグラフから引用したものになります。これはロクサンに魅せられた撮影者の想いが込められたタイトルだと思うのですが、思わず唸ってしまう、そんな文章でした。当時はたかだが鉄道好きの学生である私に、そんな上から目線で言われる筋合いは到底ないと思うのですが(笑)、今でも脳裏に焼きついてるということは、それだけ響くもの、共感するものがあったんでしょう。
横川と軽井沢に立ちはだかる、碓氷峠という難所。大量輸送の時代にあって、多くの旅客を運ぶために選ばれた粘着運転方式、補機としての役割。そこに登場したEF63ことロクサンは、その区間が廃止されるまで使命を全うしました。2両1組で運用され、どんな列車にも繋がれたロクサン。厳しいスカート周りとは裏腹に、貫通扉を正面に配置した凛々しい顔。側面には万が一のための蓄電池の蓋が目立ち、そして大型のルーバーから聞こえてくる独特のブロワ音(送風機。発熱した機械を冷やすためのもの)。ホイッスルと一緒に峠にこだまする…。脳裏にそんなロクサンを思い描くと、ロクサンがやはり私の中で一番の機関車であり、そしてそれは今後も変わらないんだと思います。こんなにも魅力的な機関車、他にあるでしょうか?それだけ私にとってのロクサンは憧れのような、そんな特別な機関車なのです。…と、さも見てきたかのように語ってしまいましたが、実は現役の姿を見ることは叶いませんでした。ですが、映像や写真、文章。それからでもヒシヒシと伝わってくる特別な何かがあるのです。

毎年、横川の文化村には足を運びますが、そこでロクサンが動いていた頃の空気というものを想像するのは楽しくも切なくもなります。
ただ…欲を言うのであれば現役の時に足を運ぶのが間に合えば良かったと思います。こればかりは年齢という1つの壁がありましたので(汗)
そんな私の中でのロクサンに対する想いは、現役を知らなかったからこその憧れ、そういう面から心を引きずられているのかもしれません。そしてその想いはいまだロクサン、そしてこれからも変わることのない愛すべき機関車、そしてロクサンなのです。
●ロクサンは顔が良い
ロクサンに限らず機関車は顔が決め手になることが多いと思います。新性能電機に関しては殆どが箱形で同じような塗装でありながら、個々のパーツの違いから様々な表情を見せてくれます。そんな中、ロクサンの特徴の1つに前面窓が金属抑えという点があげられます。機械の発熱でHゴムが溶けないようにするための部品選択だったようですが、こんな機関車は中々無いでしょう(EF66も金属抑えですが、あれも同じ理由なのでしょうか?)
常にギラギラとしてる姿は、さながらお召し機のような雰囲気をも感じます。
模型として作る上で、やはりこの部分は再現したいのです。
そして、顔の良さというのは実車のようなシャープさも重要になってきます。

こちらはBトレのロクサンです。各Nゲージメーカーと比べても、遜色ないくらい個人的には特徴を掴んでいると思っています。とはいえ、Bトレの金型の限界というものを感じざる終えない部分は多いです。
例えば下のほうにあるステップは分厚すぎます。確かに実車も目立つ部分ではあり、貫通扉の張り出したステップなんかはチャームポイントかとは思いますが、これでは重苦しく感じます。
そして何よりC'アンテナが前面本体と一体というのは…(笑)
Bトレ本来のコンセプトである組み立て簡単ミニモデルというのを考えると、致し方がないのは分かるのですが、ファンからすれば、せめて別パーツにできなかったのかなぁとは思ってしまいます。

これは6年ほど前に私が加工したロクサンです。顔の良い部分としてあげた前面の金属抑えに色が上手く載せきれていません。当時の技術が拙いこともありますが、ガラスを含めて一体整形であるBトレのパーツにおいて、ここを塗装するのは至難の技です。
手すりのエッチング化はしたものの、やはり他のパーツが分厚いため、なんとも大味な雰囲気になっています。
今回の加工ではそういった部分をなるべくシャープにしていきたいですね。
なお今後の記事で出てきますが、例外的にシャープにできなかった加工箇所があります。それはその時にお話しようと思います。
さて、大分つらつらと書いてしまいしたが、ここから本題の加工記事に入って行こうと思います。
ここまでの内容を踏まえた上で、加工メニューをまとめてみます。
~ロクサン加工メニュー~
①前面の改修
②屋根周りの立体化
③水切りの作り分け
④スカート周りの加工
大きく分けるとこの程度です。文書にするとあっさりしたものですね。ただ、手を入れていない部分がまったくありませんけど(笑)
●加工のお話
①前面の改修

結局どうするのが手っ取り早いのか考えた結果、トミックスから移植することにしました。
メリットとして、前面ガラスが別パーツのため塗装しやすく金属抑えも当然シャープになります。それにABS素材でしょうから加工もしやすいです。
下部にあるステップはエッチング等で製品が出ておらず、既製品加工も考えたのですが、効率化を考えてこのようにしました。
もちろんデメリットもあります。Bトレの車体幅に比べて若干狭いため、調整が必要となります。
また、旧製品ですとクリームの警戒帯の部分が別パーツとなっているため、ここの隙間を埋める必要があります。
この部分は上手くリカバリーしようと思います。
私自身のロクサンに対する想いで殆ど埋まってしまいました(汗)
次回はこの前面を調理して箱にしていきます。
- 2019/05/05(日) 00:57:37|
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●ワルツを奏でる釜は東海道へ
急勾配を有する信越本線の本務機として登場したEF62は、車扱い廃止と同時に貨物列車の運用が無くなると、大量の余剰が生まれました。
これらの釜の次の活躍の場として選ばれたのが、東海道・山陽本線の荷物列車の牽引でした。
それまでの客車列車ではSG(蒸気暖房)が必要であったことから、EF58の土壇場でした。しかし、後年の改造で客車に関してはEG(電気暖房)対応の車両が増えてきます。こうなれば、老朽化したEF58の唯一といっても良い利点が潰されたも同然です。この置き換えとして、EGを持つEF62が適役に選ばれたというわけです。
●所属は下関。特徴は電暖ジャンパの移設
EF58の時は東海道本線の沿線各所に釜の所属が散らばっていましたが、EF62からは下関へ集約されました。
異動したEF62は暫くの間、そのままの姿で活躍しますが、登場から少し経つとEG用のジャンパと誘導員手すりの移設が行われます。最初に改造されたのは15号機と、今回製作した22号機です。移設の理由は作業効率だったのでしょうか?もう少し調べてみます。
その後、数年をかけて全車改造されていきますが、誘導員手すりが移設されたのは最初に改造された2両のみでした。
簡単ではありますが下関に居たEF62について解説させていただきました。それでは加工に移ります。
①ステップを削る

今回のベースはKATOの前期形です。製品化されていませんのでNゲージから斬ります。
46号機を製作した時と同様、手すりや配管、雨どいは再生してやり直しますので斬って接着した後にモールドを削り取ります。
ピンバイスで穴を予めすべて開けておきます。
そして特徴的なジャンパが移設されて姿を再現していきます。
実車の写真と見比べながら、慎重に前面のステップを削ります。初めはニッパーでざっくりと欠き、その後は棒やすりを使って形と表面を整えます。
窓下の手すりも取り付けてありますが、形が納得いかず、この時のものは後ほどやり直しています。
②ジャンパの取り付けと誘導員手すり

ステップを削り終わったら、今度はジャンパを実際に取り付けてみます。
この形のものは製品化されていないようでしたので、スカートの部分から削り取ってきています。
実車よりも少し大きいようで、他のパーツとのバランスが崩れてしまっていますがしょうがないですね。
また、テールライトの内側に移設された誘導員手すりも仮ではありますが取り付けてみます。
元の手すりの位置よりも、若干高く取り付けるのがポイントです。
クリームと青の境目になるので、バランスを見た後は取り外してしまいます。
③パンタグラフの加工

TOMIXのパンタです。一番手前、アームの関節根元付近、碍子の左横付近なのですが、少し出っ張りがあるのが分かりますでしょうか。これは前期形の特徴で、避雷機から出た配管がこの出っ張りに接続しているのです。
製品のもはさすがにここまで再現されていませんので、トレジャーの115系用前面ステップのパーツを加工して取り付けてみました。
④完成

塗料は46号機と同じく、クリームがGM、青がガイアです。
窓下の手すりは銀色で高級感がありますね。ステップも写真を見る限り上面まで銀色に見えたのでそのように塗装しました。
ホイッスルはカバーが無く、むき出しです。

2エンド側です。横軽時代の無線アンテナが屋上に残っています。これは全てに取り付けられたわけではなく、法則も無いようです。
下関に行っても取り外されなかったのは不思議ですね。
スカートは殆ど弄ってませんがエアホースは銀河のロストに変えています。コックの部分の色は資料が見つからなかったので適当です。
ちなみに、誘導員手すりの移設に合わせてクリームの警戒帯の部分が狭くなっていたようです。
ジャンパを境に左側と右側で青の面積に違いあるのが、この写真からだと分かるのではないでしょうか。

1エンド側を横から見てみます。
インレタが傾いてるのがマイナスですね。今回の2番目の課題です。
ナンバーは今回からトレジャーの機関車用にしてみました。殆どバラ文字なので転写は大変ですが、質感は最高ですね。

最後に46号機と並べてみました。46号機はヘッドマークステーを取り付けましたので、顔が締まりました。
これにて前期形と後期形がそろった形ですね。それぞれの生涯においての最後の姿、運命が変われば形態も大きく変わりました。
年内にもう1両ぐらいは作りたいですね。今はその気持ちに蓋をして、展示会に向けて次のネタの製作に取り掛かりますか♪
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製作にあたり参考にした文献
・ネコパブリッシング 鉄道車輌ガイドvol.19 EF62
・イカロス出版 電気機関車EX vol.07
・
想 ひ 出 は ぶ だ う 色 ・
EF62の形態 - 庶茂内模型鉄道 ・
鉄道車両と旅客機画像のページ トップ画像の撮影
ほつ太朗氏:亀屋にて
- 2018/07/03(火) 22:50:30|
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●C-C軸の心地よいリズムが峠にこだまする
横川~軽井沢間(以下ヨコカル)、66.7‰の急勾配を有する信越本線を粘着運転するにあたり、専用の補機であるEF63(以下ロクサン)を導入しました。
そして、その信越本線を全線で運転できる本務機として登場したのがEF62(以下ロクニ)です。
外見的な特徴として、徹底的な軽量化を図るために屋根部品にFRPを採用したり、新性能電気機関車で唯一のC-C軸配置の台車となりました。
ヨコカル廃止となる1997年の時点では、全部で54両が製造された同形式も、客車列車と貨物列車の廃止で僅か3両が実動する状態になっていました。今回はそんな3両のうちの1両である、46号機を製作しました。
●可愛いロクニをBトレにする
主観ではありますが、直線的で正面の窓も金属押さえであるロクサンは男らしさを感じます。一方、ロクニは丸みを帯びていて、ロクサンとは対照的に女性らしい優しさを感じさせてくれます。
そんなイメージをかっちりと、模型に投影できたらと思います。
●施工内容
①KATOをベースに短縮する

Bトレでロクニは出ていません。新性能電機では唯一です。待てど暮らせど出ないので、斬って自分だけのものにしていきます。
ベースはKATOの後期型です。ロクニの特徴的な部分を残すとなると、これ以上は短くできませんね。全長62mmで落ち着きました。
今回はエアフィルターの間で斬り継いでます。製作の参考にあたっては、メンバーの客車男氏のものを参考にしています。
②屋根の加工

配管はやり直すのでモールドを削除、同時に貧弱な雨どいも削ってしまいます。
この雨どいはエバーグリーンのプラ棒で再生します。ただ、手持ちでちょうど良いサイズがなかったので、幅は元のものを更に半分に切って貼り付けています。継ぎ目を紙やすりで慣らせばOKです。

ロクニの屋根はパンタ部分・モニター等が載る部分・パンタ部分という風に分かれており、パンタ部分は外すことができます。
これらパーツの周囲にはボルトを表現したモールドがあるのですが、各パーツを調整して斬るだけだと、そのボルトの表現が無い部分ができてしまいます。
そこで、そのボルト表現された部分のみを斬り出して貼り付けています。
写真のうち、真ん中付近に縦方向に青い部分がその薄く切り出したところです。
その外、運転台上付近の白いパーツが先述したプラ棒で再生した雨どいです。

実際の製作順序とずれてしまいますが、これはバランスを見るために、短縮したモニターを載せた写真です。
採光窓はHゴムの色が時代と釜によって異なるため、どうしても入れたかった部分です。特徴が出るため1個しか残らないものの、斬り継ぎで入れ込むことができました。
③前面の加工

ナンバープレート取り付けようの凹みがあるのでプラ板で塞いでツライチにします。
ディティールアップとして、手すりの交換は勿論、標示灯掛けやドアストッパーも取り付けてみました。
手すりは元のモールドを目安に0.3ミリの穴を開けて、0.2ミリの真鍮線を使って自作しています。ただし、ヘッドライト横のピッチが狭い手すりは1.5ミリ幅のトレジャーの手すりを使いました(屋上の手すりも同じものを使用しています)
誘導員手すりは塗装後に接着します。これはクリームの警戒帯の付近にかかるためで、マスキングをしやすくするためです。
④スカートの加工
エアホースを銀河モデルのものに交換します。初めてロストワックスのものを使ってみましたが、実感的でしかも丈夫でいいですね。買いだめしたホワイトメタルの方はホースを切り落としてコック部分のみの方に使用することにします。
ジャンパ栓に関しては、原型のKE63が末期まで使用されていましたので、今回は製品のモールドを活かしました。
●完成!

個人的にはTOMIXよりKATO派なので、これをベースにイメージ通りにまとめることができて満足です。
塗料はクリームがGM、青がガイアです。塗装後にワイパーを取り付けました。

パンタグラフはTOMIXです。この部分の造形はこちらのほうが優秀なのです。
配管系統は汚れすぎてて色が分からなかったので、模型的な見栄えとして塗り分けました.屋根自体は大宮工場特有の黒屋根塗装です。
2エンド側の屋上には横軽無線アンテナの台座とケーブルを取り付けています。ロクサンもそうですが、車両によってはアンテナ本体が取り付けられてそのまま存知していたので面白い部分ですね。
避雷器はLA17です。ツイッターで写真を上げた時はLA15のままでした。お恥ずかしい限りです。
この角度ですとモニター部分のクレーンフックが目立って良い感じです。

採光窓はまさかのモールド表現でしたのでがんばって色を入れました。Hゴムの色は黒です。汚くなってしまったのが残念です。
ナンバー含めた各種表記はくろま屋を使いました(エンド表記は銀河)。会社銘板はレボのエッチングです。
ヘッドマークステーだけまだ取り付けてませんので、この作業を行えば完成となります。
●今後は…
ロクサン派でしたので、ロクニは自分の中で少し影が薄いものでした。ですが、実際に調べると奥が深く、気づけばたくさんのアッシーを手にしていました笑
自分の中では、
田端 2機
下関 2機
高二 1機
以上5機を人生を終えるまでに作りたいですが果たして…苦笑
☆☆☆☆
製作にあたり参考にした文献
・ネコパブリッシング 鉄道車輌ガイドvol.19 EF62
・
想 ひ 出 は ぶ だ う 色 ・
EF62の形態 - 庶茂内模型鉄道 ☆☆☆☆
最後に2点ほどお知らせです。
①サークル公式HPのアドレスが変更になりました
新しいアドレスはこちら→http://grandchariot.info/
②ハンドルネームを変更しました
新しい名前は「はつはな」です。今後もよろしくお願いいたします。
- 2018/05/19(土) 00:56:34|
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